正直、嫌で仕方のないイベントではあるが私だって大人だ。嫌な親戚づきあいでも我慢する必要を知らずではない。そうは言っても…
義実家に行きたくない私。
一方、彼にとっては年に一度の大イベントであり毎度とても楽しみにしているようだ。
――そのとき、夫から三泊しようと言われていた。
ごめん、夫。
そんなの耐えられるわけないじゃないか!
通常、長くとも二泊までだ。
それに、車で二時間も走れば到着する距離にある私の実家には顔も出さないくせにどうして私だけ二泊三日の大イベントを楽しみにしなきゃならないんだ?
こんなこと言うなんて私もどうかしてるけど、ダンナが嫁の実家に行くことよりも嫁がダンナの実家を訪れる方が数倍疲れるものじゃないか。
知らなくったって良い、でも少し考えれば嫁の立場の弱さなんて理解できるじゃないか。
それなのに、彼は全然なんにもわかろうとはしてくれない。
以前、「たまには、ひとりで帰省すれば?」と、大イベント不参加を申し出たことがあった。
すると、思いの外キレてしまった夫。
「kakoちゃんなにいってんだ!そんなことしたら親におこられるじゃないか!」
なるほど、彼は両親への体裁を保つために私の同伴を必要としているのか……。
くだらない……
子離れしない親と、親離れしない子供。
くだらない……
「ひとりで帰ったら?」と口にした私に、一夜明ければ「もうそれだったら一人で帰ろうかな」なんてつぶやいてくれる夫。
結果的に、三泊の大イベントを一泊にして私も同伴することで話はおさまった。
彼はふてくされたような態度だが、私、そんなことかまってられない。
年に一度、遠い地からきっちりと顔を出すだけでもじゅうぶんじゃないか。
特段、義両親を嫌っているわけでもない。でも、彼らの実家でたとえ一日でも一緒にいると「あなたの息子さんはこんな育ち方をしてしまいましたね」と言ってしまいそうになるのだ。
過保護に育てられた夫は、なにもしなくとも誰かがなにかしてくれると勘違いする完全受け身なだけの男になった。
誰かになにかを与えてもらっても、それはあたりまえの話。だから感謝という気持ちを自然に抱くことができない。
もちろん、誰かになにかを与える術も知らない。
それでいて仕事はきっちりと生産性の高い業務をこなすらしい。
それじゃ、彼にとって必要なのは両親と会社だけじゃないか……
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