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結婚を後悔させる理由があふれている
それでも離婚しないのは
愛が消えぬから・・・?
「結婚なんて面倒なだけ」そんなことを口ずさんでいた夜オンナも、いつしか妻となった。そして、生まれて初めて経験する〝ひとりではない幸せと喜び〟けれど幸せなんてつかの間だった・・・結婚とは・・・後悔するもの? 過ぎゆく時間に問いを立てる・・・

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結婚前の彼は高学歴で聡明な人だったが


夫のことを少し書いておこうか……。

出会いのきっかけはありふれたものだ。

店に飲みに来た男と親しくなるうちに次第に惹かれ合ったというもの。
私に惚れた彼は、時間と金の許すかぎり足繁く店に通った。金がかかっても私に会うために……。
下心があった? それは否めないが、そんなの当たり前の話だろう。そういう下心を逆手にとってギリギリの距離感でかわしながらボトルを空けてもらうのがこちとらの商売なんだから、それはむしろウェルカムだった。
ただ赤面しそうなほど純なことを言うが、当時の私は彼から〝恋心〟のような澄んだ気持ちを感じていたことはウソではない。
だからこそ、恋も愛も汚れたものでしかないと思っていたこの私の心が彼に〝揺れた〟

医者と結婚するチャンスもあった。

なんて言うと相当おこがましいんだろうが、私は店のナンバーワンで、私の周りにはいつだって〝私目当てのお客〟がわんさといた。
お客さんには様々な属性の人がいて、勤務医はすくないものの開業医となればそれなりに来店数は高い。通常、診察室以外でお医者さんと仲睦まじく会話が盛り上がるなんてあり得ないし、加えて私のような低俗な女が高貴なドクター様を相手にタメで口を利くんだから考えてみれば滑稽な風景だったろう。

客の中の一人だったのが夫。
彼を客観的にチェックすると多分〝いい男〟ではないだろう。
いや、当時の私なら〝いい男〟である前に〝自分が得をする男〟かどうかが重要だったはずだが……。
そうは言っても高学歴で聡明、ルックスは〝中の上〟だったから少なくとも〝自分に損を与える男〟ではなかったことは確かだ。
そして、決してモテるタイプでもなければ社交性に富んだ強者のビジネスマンでもない。その一方で非常にまじめで正直な人。
けれど、正直だが言う必要の無いこと、むしろ言わぬ方が良いことまで話してしまう人でもあった、まるでほめごろしだな……。
おそらく、内面的な属性は社会性に影響しなかったのだろう、他の属性つまり高学歴で聡明であることが彼の人生を支え、挫折なく不自由なく生きてきたように感じていた。


当初、お客さんとしての彼以上の興味はなかった。
ぶっちゃけた話、自分の売り上げに貢献してくれるお客様。ただそれだけだ。
ただし、少し癖があった分、他のお客さんと比較して印象は強かった気がする。
癖とは? それは話していてとても頭がキレるのだ。
まるで会話の先々まで見越したような会話をする人。
力強くグイグイ会話をリードするわけではないが、ふと気づけばそっちの結論にゴールさせられているような不思議な能力があった。
そのおかげで、人気者だった私はある程度の時間とタイミングで席を変わっていかねばならぬのに、つい彼の席で長居させられてしまいママやオーナーに叱責を食らうハメになったりと……、そんな不思議な男だった。

これが結婚するまでの彼に対する印象だ。
普通ならただすれ違うだけの人だった。
でも、私はいつしか彼をふり返るようになった。
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