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結婚を後悔させる理由があふれている
それでも離婚しないのは
愛が消えぬから・・・?
「結婚なんて面倒なだけ」そんなことを口ずさんでいた夜オンナも、いつしか妻となった。そして、生まれて初めて経験する〝ひとりではない幸せと喜び〟けれど幸せなんてつかの間だった・・・結婚とは・・・後悔するもの? 過ぎゆく時間に問いを立てる・・・

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18歳で結婚して奇形児を産み夫と死別した話


時の流れる早さは人それぞれだ。
私がまだ20代半ばだった頃、勤め先の店に新人が入ってきた。当時の私よりもさらに若い女の子だった。
若さとは勢いがある。何事も躊躇しない。躊躇しつつ石橋を叩いて渡るような生き方は似合わない。失敗すればやり直せば良い。それができるのが〝若さ〟だ。
その子の名は源氏名でリサ。

リサは人なつっこいキャラで先輩格の私にもよく話し掛けてきてくれた。
仕事への不安、接客のこつ、言ってはいけないこと、暴言などの受け流し方…次第に仲の良い先輩と後輩として距離は縮まっていくことを感じた。
そうして、リサの身の上話にも聴き触れることがあった。

彼女には夫と子供がいた。
それは珍しい話でもなく、よく聞く話。若さと勢いに任せて……と言ってしまえばそれまでだが、私にとってこの話は忘れられない悲しい話だ。

リサは18歳で結婚した。

結婚理由は〝できちゃった婚〟である。お相手はひとつ年上の19歳の男性。

実は彼女〝できちゃった〟のは二度目であった。
16歳で妊娠。そのときは両家の話し合いにより中絶。だが17歳で再び妊娠し、今回は出産と入籍の意思を貫いた。中絶を繰り返すリスクも考慮したと思われる。だが、お腹に宿った赤ちゃんは奇形児だったのだ。
ただ、リサは赤ちゃんを産むと決心した時点で母親の精神も宿っていた。つまり、授かった命を守りたい、産みたいという純真な気持ちだった。

赤ちゃんは、足の指がつながった状態で生まれた。女の子だ。もし、このままなら一生、サンダルを履くことを拒むほかにないのかも…と思うと、話を聞いた私も女として複雑な気持ちになった。

リサは考えた。この子に手術を受けさせてやりたいと……。
水商売の世界に入ってきたのも、身体的な障害をもつ子供のケアにかかる費用や施術に関する費用を稼ぐには即効性があるからだと言っていた。

リサは頻回に遅刻をしたり店を休んだ。
なぜだ?
子供のために金を稼ぎたい気持ちと、若さと容姿、人なつっこいキャラ。条件的にはいつだってナンバーワンになれる属性だ。
なのにどうして勤務態度が悪い?

リサの旦那はとび職だった。
狭いアパートで暮らす、水商売とガテン系の年若い夫婦、そして奇形児として生まれた赤ちゃん。そこに咲く幸せが有るのなら良かった……

更衣室で見かけたリサの背中と足にはひどいアザがあった。
顔面にもそれらしき傷はある。厚い化粧と衣裳で上手にアザを隠し店に出る彼女から知らされるのは〝夫による暴力〟だった。

ところがリサは夫からの暴力について私には口を開かなかった。
それが、彼女のギリギリの夫への愛だったのだろうか……?
いっぽう、夫の良いところについては私に話してくれた。学歴もなにもない夫だが毎日汗水流して働いているから自分だってがんばらないといけない。
そんなことを言っていたかな……

だが、変わらない状況が半年ほど続いた頃、リサは目に涙を浮かべながら訴えてきたのだ。「あんな男、死んじまえ!」と。さらに時は流れた数ヶ月後、リサの夫は本当に亡くなってしまった。事故だった……。

事故後、リサは店をやめた。
今、どんな生き方をしているのかはわからない――。
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