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結婚を後悔させる理由があふれている
それでも離婚しないのは
愛が消えぬから・・・?
「結婚なんて面倒なだけ」そんなことを口ずさんでいた夜オンナも、いつしか妻となった。そして、生まれて初めて経験する〝ひとりではない幸せと喜び〟けれど幸せなんてつかの間だった・・・結婚とは・・・後悔するもの? 過ぎゆく時間に問いを立てる・・・

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借金問題を理由に夜の仕事を選んだ彼女は離婚した


夫婦関係の修復には何が必要か?

多くの人はこう答えるかもしれない。「信頼関係」だと。
夫婦なんて所詮は他人同士が無保証の信頼関係一つでひとつ屋根に暮らしているもの。だからもし、二人の関係になんらかの溝が生じてしまった場合、付け焼き刃での対処はいくつもあるが最終的に力となるのは信頼の二文字に過ぎない。


――私が水商売の世界で働いていた頃。
〝あかり〟という女性が働いていた。彼女は既婚女性であり、どうして夜の仕事をしているのかというと借金返済であった。
短期で一気に借金返済となると、誰もが考えつくことはこの手の仕事であろう‥‥。

当時は私も彼女も先輩後輩の間柄でもなく、言うなれば年齢も売り上げも同格だったからここでは〝あかりさん〟としておこう。
あかりさんの性格は典型的なO型気質。猪突猛進でやると言ったらとことんやるタイプ。なので、ダラダラと夜の仕事をしている私なんかと比べれば、高額客の争奪には他の女の子を押しのけてでも名刺を置きに行く人だった。

ところで、店で働いていることはあかりさんの旦那は知らずだった。つまり内緒。どうやら、この時間帯に他の仕事をしているという口実だったようだ。が…、化粧や香水に決して地味ではない装いで帰宅するであろうに、彼女の旦那に内緒が継続できるにはどうしてか? 旦那がよっぽど鈍な男なのか、それとも、毎日午前様の幸せな男なのか定かでは無いが、話を聞くと彼女の旦那は遊興好きで当時の好景気にも押されて毎晩飲み歩いていたそうな……
それでか、あかりさんが夜の商売で働いていようが無関心だし気づくこともなかったようだ。それとも、感づいていながらもとやかく口にしなかっただけなのかもしれない。


いちおう…私たちにもお客を選ぶ権利はあった。
あまりにしつこい男性や、どうしたって波長の合わない男性がいるのも事実。
それに、事情があって鉢合わせすると非常にまずい場合だってある。たとえば、旦那に内緒で働いているのに、偶然にも旦那が来店してしまうと夫婦喧嘩どころではない修羅場になってしまう場合もある。
だから非会員の新規客のテーブルにつくときはパーティション越しにチェックすることは常識だった。広くはない店内でも、パーティションや照明の加減を利用すれば顔をささずにすむことは可能だったのだ。

あかりさんの話に戻ろう。
ある日のこと――
新規客をお願いと言われたあかりさんがお客の顔を確認後、どうしよう!と慌てた素振りで動揺していた。
ズバリ…彼女の旦那が来店してしまったのだ。

彼女の旦那は夜遊びが好きな反面、自分の嫁には清純を求めるタイプの男性だった。「遊ぶ相手と女房は別もの」と、自分勝手に女をイメージする…よくいる男性のタイプである。それはともかくとして、あかりさんが夜の仕事をしていることを知ってしまえば憤怒してしまうことは間違いない。

それでも最近のあかりさんの行動を不審に思ったのか、どうやらこの街のネオンに自分の女房が働いているのではないかと嗅ぎつけたようだ。
いくつもの店をハシゴして遊び仲間も多いあかりさんの旦那は、仲間や取引先から彼女の噂を仕入れて「ひょっとしたら君の奥さんってあの店で働いているかもよ?」と聞かされたようである。
どうやら、同伴出勤の際にすれちがった人物が旦那との関係人であり「あれ?今の人、ひょっとして?」が、旦那さんに行き着いたよう……。

つまり、あかりさんの旦那はこの店に自分の妻が働いているかどうかを確認するために来店したのだ。
会員制ではあるが、会員になるステータスを十二分に兼ね備えているから不相応として入店拒否をするわけにもいかない。
あわてたあかりさんは店主にSOSを訴えた。
どうしよう…?


対応はこうだ。
あかりさんを指名するのは目に見えているから、私があかりさんになりすまして席に着く。私は今日限りの来店で二度と来ないような操作的接客を行う。
なんだか難しいが、つまりは〝あかり〟と名乗ることで〝ここで女房が働いているかもしれない〟疑惑を解き、「この店は面白くねえな」と感じさせる接客で次回の来店を遠慮してもらおうという魂胆だ。

なーんだ…やっぱり人違いじゃねえか。そう思わせて帰ってもらえれば良い。
私は頑張った。そして、おそらく任務を果たすレベルの接客ができたはずだ。
ここで一件落着。とはならず、このエピソードはあかりさんの離婚の引き金になってしまった。

そもそも……理由は何であれ、旦那に隠れて危ない働き方をしていることの後ろめたさは自分たちに信頼関係が成立していないからだ。

借金返済が理由だとしても、互いが困った問題に直面したときに配偶者に相談できないことの寂しさってなんだ?

いったい、ふたりは互いに必要な存在なのか?
そういうことを切に自問自答したそうだ。

互いが互いをごまかしながら生きている夫婦。
ふとしたことで金銭的な問題が生じてしまった。専業主夫の自分に解決できるような問題ではない。けれど相談できない。
それはもともと相手を信頼していなかったから…

今、離婚しておかなければ先々で同じような問題を生じたときに離婚へのカウントダウンが必至であるなら決断は早いほうが傷が浅い。

そう考えたあかりさんは、離婚を決断した。
実は抱えた借金問題というのは、旦那の遊興費が膨れてしまい、給料より上ぶれてしまったからだとか。
遊びを控えて欲しいと、それとなく旦那に諭しても聞く耳を持たぬ彼は陳腐なプライドを肩に引っさげて毎夜、午前様。

馬力のある女性を感じさせる彼女ではあるが、夜遊びが尽きない旦那には一人泣かされていたようだ。
言い換えれば、旦那の借金のために夜の仕事を選んだ彼女。
豪遊も男度を評価するだのなんだの…言い分はあろうかと思うが、そこに夫婦間の必要十分条件である信頼は存在していなかったようだ。
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