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結婚を後悔させる理由があふれている
それでも離婚しないのは
愛が消えぬから・・・?
「結婚なんて面倒なだけ」そんなことを口ずさんでいた夜オンナも、いつしか妻となった。そして、生まれて初めて経験する〝ひとりではない幸せと喜び〟けれど幸せなんてつかの間だった・・・結婚とは・・・後悔するもの? 過ぎゆく時間に問いを立てる・・・

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夫の浮気を疑う私にはかつて体験したことのない嫉妬心が渦巻いていた


嫉妬心をいやというほど味わったのは結婚してからとなる。

そもそも、交際中の男性が浮気しようがよそで何をしようが気にはしない冷めた女だった私。


その考えには二つの理由があった。
それは、あきらめと自信だ。
男とは女を裏切る生き物だという〝あきらめ〟
よそで何をしようとも誰よりも愛されているのは自分だという〝自信〟

こうして言葉にすると、ああなんて自分は高慢な女なんだろうと小恥ずかしくなるが、正直、私の恋愛感情かつ対人感情は常に二つの理由に支配されていた。
過去の恋愛体験を回想すると皆、私に熱愛し、私を執拗に求めた。彼らにとって私が通りすがりの女だったとしても、それぞれが結婚して妻子ある幸せな生活を築き上げているとしても、今なお、私への執拗な愛が消えずにいる自信がある。
こんな話……客観的に見れば思い過ごしも見当違いも激しいばかりの……詭弁(きべん)だろう。
と同時に、そういう自分に嫌気するもう一人の自分が私には在る。けれど、女として最も輝く年齢期に〝勘違いな女〟であり続けるしか自分を肯定できなかった、私の生き方。
少数派だとしても私の勘違いに共感可能な女性はいるんじゃないか……と思っている。


ところで夫は〝無関心な人〟
交際する相手はのめりこんで執拗に私を求めるという方程式には完全に当てはまらない人。
つまり、私の恋愛定義を狂わせてしまったのだ。
男なんて……と、高慢で冷めた心は不安と疑念に置き換わってしまった。
それまでの恋愛定義に照らされていた私のプライドも崩れ落ち、傷つきながら夫を疑うようになった。
不安でいっぱいの自分をなんとか励まそうとして、自分に問うてみる。
「男なんて、よそで何をしようが平気じゃなかったの?」
だめだ……
どうしようもなく不安なのだ。

旦那の浮気調査?

みるみる嫌な女に変わりゆく自分。

スキを突いて夫の財布とスマホをチェックする妻が知る事実とは、なんと私が勤めていた店の名刺や女の子からのメール。
もう…〝あきらめ〟と〝自信〟で事実を蹴散らすような気勢は私にはない。
このとき、心根に宿った感情が嫉妬心だった。

結婚してからというもの誉められることも愛情表現を受け取ることもないというのに、他の女性と……疑い始めたら朝から晩まで止まらない苦悩。
夫の入浴中にこっそり財布を見ているところを見つかってしまった私は謝る以上に夫を責めた。
それに対して平謝りを繰り返すだけの夫。攻防に一区切りつけば何の事は無い…テレビをつけてだらしなく笑ってるじゃないか。
許せない…悔しい…エンドレスで気持ちがグルグル回る。
嫉妬なんて無駄なエネルギーでしかないと言い切っていた私がこのザマだ。
会社に行った夫にメールを送る。
「おねがいだから遊ばずに帰ってきて」
返信さえなく、男の定義を改めようとしない夫。

どうにもこうにも、馬鹿にしてきた嫉妬心に私はズタズタに疲弊した。
裏を返せば、私は人を愛したことがなかったんだろう。
恋愛感情も対人感情もいつもどこか見下げた感覚によってしか自己肯定できない愚かな人間だったんだろう。


――私の実家の近所に50代前半の夫婦が住んでいた。
子供は三人。母親のご近所友達だったせいか、そのご夫婦の家庭事情は母を通じて知っていた。
夫は長年、工場の派遣社員。薄給に寸志ほどのボーナスを合わせると年収はしれている。三人の子供達を育てることは決して楽な話ではなかったはずだ。

夫の小遣いは1万円、子供達が自立した今、妻は小遣いを上げたいと考えているが夫は1万円でかまわないと言う。
なぜか?
二十年かけて毎月決まった小遣いから内緒で貯金してきた定義を壊したくなかったそうだ。
内緒で貯金する目的とは、ささやかな額しか貯金できずとも二十年かければ大きな額となり、そのお金で愛する妻に結婚後初めての誕生日プレゼントを贈る計画を絶たなかったという話だ。
この話を母から聞かされたのは、嫁いでから何かの用事で実家に帰ったときだった。世の中、嫁の誕生日さえ忘れる旦那だって少なくない。
ほっこりとしつつ、どこかで自分の空虚感に重ねつつ、複雑な感想を抱いた。
この夫婦、結婚してから子育てに労を費やし、ささやかな幸せに支えられながら人生を積み上げてこられたに違いない。
その間、夫は変わらぬ愛で妻を愛し続けた。

この話、私は愛されていることに〝嫉妬〟した。
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